イースシリーズ


今から15年以上も前の1987年に、日本ファルコムからリリースされた、アクションRPGの金字塔的存在「イース」。その当時のパソコンゲームと言えば難しくて当たり前、謎が難解であればあるほど、時間がかかれがかかるほど評価されるという今から思えば不可思議な雰囲気を持っていました。昔話に例を挙げると、ウィザードの放つ火を5回受けてからそのウィザードを倒せばフェアリーを助けられるという「ハイドライド」の謎、コンピュータ内部で割り当てられている数字と色の関係(プログラミング上のカラーコード)を知らなければ解けない「ブラックオニキス」の「イロイッカイズツ」の謎、POLISHという単語を知らなければ進みようがなかった「デゼニランド」などなど、ゲーム上では一切解き方が現れず、知らなければなんともならない理不尽な謎がいくつもありました。
さて、そんな状況の中に登場したのが、この「イース」です。難しくはないが安易でもない、誰もが楽しめる優しさを備えたこの作品は爆発的な人気を集め、ゲーム人気ランキング1位を半年以上独走を続ける作品となりました。各地に点在するボス戦との戦いは、あと一撃でお互いにやるかやられるか、というまさに手に汗握る勝負、攻撃パターンを見極め、弱点を見つけて攻撃して苦労の末に倒し、物語を進めた時の喜びはひとしおで、さらに優れていたのはこれだけではありません。イースの出現がゲームミュージックというジャンルを確立させたと言っても過言ではないほどのBGMの素晴らしさで、当時の他の作品のものとは一線を画していました。翌1988年に発売されることとなった「イース2」のオープニングに至っては未だに耳にするたび鳥肌が立ってしまうほどです。残念ながら1989年の「イース3」を最後に、パソコン版でのファルコム直々の制作によるイースは途切れ、1993年にスーパーファミコン版(トンキンハウス)・PCエンジン版(ハドソン)「イース4」、1995年に「イース5」(トンキンハウス)がリリースされました。
しかし、いよいよ9月27日に日本ファルコムによるイースが帰ってきます。そのタイトルは「イース6 ナピシュテムの匣(はこ)」。イース1&2の2D(ドット絵)であった見下ろし型のシステムを3D(ポリゴン)で描いて高低差を加え、アクション性を強化したこの新生イースがどれほどまでの作品となっているのかが非常に楽しみなところです。