121 ヤキモチいろいろ

2003年3月1日

 ピエトロ王子は以前に書いたとおり、いろんな女の子から想いを寄せられている上に、鈍感な部分もあり、はっきりしない部分もあったりで、想いを寄せている当人達にしてみれば間違いなく「あぁ、もうっ!」と思う場面が何度となくあったことと思います。 そういう気持ちは一般的にヤキモチとか嫉妬、ジェラシーなどなどと呼ばれているわけですが、その気持ちの表し方はまさに十人十色、恋は盲目とはよく言ったもので、端から見て滑稽なものだったり、時にはとんでもない形で現れたりします。ジルバなんかは自分の気持ちをストレートに表現する性格ですから、ピエトロの手を取っているカイに猛然と「離れなさいよっ!」と怒り、かと思えばナルシアの様子を見に行こうとしているピエトロにその事を言わせまいと横から口を挟んだ挙げ句に言葉に詰まって「子竜の様子を見に行く」と苦し紛れなことを口にしてみたり(そのあとジルバに突っ込まれたピエトロの態度もまた例によってはっきりしないものでしたけれど)、妖精城から脱出する時にピエトロに抱きかかえられるナルシアを見て思わず「いいなぁ・・・」とつぶやいてしまうのもそんな気持ちの表れなんでしょうね。ストレート勝負のジルバと違って、変化球的な感情の表し方が多いのがヒュウ。変化球といっても「そんなの捕れませーん!」的なもののような気がしなくもないわけですが・・・。ヒュウにとって誰かを想う気持ちというのは初めてのことだったので、自分でも相当困惑するものであったことでしょう。その困惑しているところに、ピエトロと仲のいいナルシアがいて、ピエトロがナルシアのことをどう思っているのかも気付いていたりしましたから、ピエトロの気持ちを自分の方に向かせるためにガミガミ魔王と組んでポポロクロイス王国を占領し、捕まえてきたピエトロを檻に入れたり牢屋に閉じこめたりとどう見てもムチャクチャなことをやってました。ナルシアに対しても「ピエトロは自分のことを好きだと言った」と嘘をついてもみたり。好きな子にはイジワルしてみたくなるもの、とはよく言われることですけれども、これもその一環?!
ナルシアもピエトロと同様にのんびりした部分があり、なかなか自分の気持ちを素直に表に出せない場合が多いようで(時にはポポロ2のサーカス終了後に思いもがけない行動に出ることもありますが)、だからといってそこはやっぱり女の子、好きな男の子に想いを寄せる他の子がいれば心中穏やかではないんですよね。ただナルシアも初めて芽生えるそんな気持ちの正体が分からず、そんなことを思ってしまう自分は悪い子なんだと深く悩んでいたようで、白騎士に「自分で自分のことを嫌いになりそう」と相談していたこともありました(アニメ第9話「ふたりの少女」)。でも後々にはそれが「嫉妬」と呼ばれるものであること、想いが強ければ強いほどより一層強くなってしまうものであること、その「黒い感情」は恋愛感情と表裏一体であることにはナルシアもちゃんと気付いたことでしょう。だからピエトロの前にジルバが現れた時には、むしろ素直に自分の嫉妬と向き合って対処することができたのではないかと思います。後にかけあしの泉の妖精がばらしているように「ピエトロったらジルバさんとばっかり・・・」と態度のはっきりしないピエトロの態度に不満を言っていたくらいですから。
嫉妬は女の子に限られるだけのものなのででしょうか?答はもちろんノー!我らがガミガミ魔王を見れば一目瞭然。もう嫉妬深いというべきか大人気ないというべきか自分の気持ちにありのまま正直に生きているあの姿にはやはり一目を置くべきなのかもしれません。想う気持ちにつきまとうこの感情、自在にコントロールできないところが辛くもあり苦しくもあります。さてさてピエトロ自身は嫉妬心を感じたことがあるのか否か、ちょっぴり気になるところではあります。