191 月の精霊の謎

2005年3月13日

 謎多き存在である月の精霊、その後ガイドブックや「ピエトロ王子の冒険」公式サイトに掲載された年表等から少しずつではありますが、その正体が明らかになりつつあります。思いつくものを列挙してみると、

・月の精霊は全ての精霊を統べる存在であること
・月の精霊は、太古にカオスに操られて世界を危機に陥れることとなり、デュオンに封印されたこと
・封印されたのは妖精族、竜族、人間族が誕生する前であること
・完全に封印されたわけではなく、世界に闇の脅威が迫った際に月からその一体が降りてきて、闇と戦うこと
・そのためには名前を与えられて実体化する必要があること
・月の精霊に名前を与えることが出来るのは、非常に限られた者であること

といったところでしょうか。今回着目したいのは、「封印されたのは妖精族、竜族、人間族が誕生する前であること」について。実はこの点から、

・「パプーは竜族とは別の種類のドラゴンである」(※)、ことの意味はいかに?
・自らが誕生する前に封印された月の精霊の存在を人間族はいかに知りえたのか?

という次の2つの新たな謎が出てくることとなります。今のところ正解が存在しないので、推測を煮詰めてその答えを探ってみることにしてみましょう。
1つめの謎で注意したいのは、「月の精霊=ドラゴン」ではなく、「パプー=ドラゴン」と表現されていることです。前者の意味でとらえると、竜族が「生物を統べる」かつ「神族の使い」としての役目を負っているのと同様に、月の精霊は「精霊を統べる」かつ「(神族よりも上の存在である)デュオンの使い」としての存在と考えることができます。この場合において「竜≠ドラゴン」として考えなくては、一般的なドラゴン観でとらえようとするとイメージが正確でなくなる可能性があるのではないかと思います。後者の意味でとらえると、ヤズムが闇の妖精王ゼフィスから名前を与えられて闇に染まったことから分かるように、精霊はその名付けた者の属性に強く影響されるものです。ピノンは竜族の血を引いていますので、パプーがそれを引き継いだことから、「パプー=ドラゴン」という表現がされているとも考えることができます。もっとも同インタビュー記事には続きとして「ピノンが竜族であるから、(ドラゴンである)月の精霊と契約できた」と書かれていますので、ピノンに名付けられたことによって竜としての属性が備わったのではなく、月の精霊は最初からドラゴンである、というのが本当のところなのでしょう。非常に漠然としたイメージなので表現しづらいところがありますが・・・。
そして2つめの謎についてですが、パプーはピノン達に自分の正体がばれてしまうのを恐れていたことからも、月の精霊の強大な力についてはピノン達の時代において直接見聞きされることはなかったにしても、伝承もしくは文献として残っていたものだと思われます。確かに月の精霊が封印されたのは人間族が誕生する前ではありますが、世界が闇の脅威にさらされた際には月から降りてきて闇と戦うのですから、人間族が誕生した後に世界が危機に瀕した際、闇と戦う月の精霊の様子を直接見てきたことは十二分にあり得ます。そしてその壮絶な戦いぶりから、いつしか「月の精霊は強大な力を備えた存在」として、人間族に認識されるようになったのではないかと思われます。そしてその伝承の中でいつしか一部に「恐ろしいもの」として考えられるようになったのではないか、と。
ポポロクロイス王国における竜のように、その活躍から崇拝の対象となった例もありますから、月の精霊が恐怖の対象ではなく、崇拝の対象となっていたとしてもなんら不思議はありません。その可能性を示唆するものが実際に存在するわけですが、それはまた別の項にて。

(※)ファミ通「はじまりの冒険」公式ガイドブックより