104 アネモリトスとカオス

2002年10月18日

 人族、竜族、風族がそれぞれの力を合わせるべく行った儀式アネモリトス。しかしその儀式は世界を滅ぼさんばかりの大いなる災いを招いてしまいました。よりよい世界を構築すべく行われたこの儀式がなぜそのような悲惨な結果になってしまったのでしょう?
アネモリトスの悲劇を見ていると自然に思い浮かべるものがあります。それは創造と破壊という相反する力を持つカオスから生まれた化け物バルバラン。まるで自己の種族の繁栄を追い求めた人間族の驕りや欲望などの「負の想念」が呼び起こしたかのように世界に現れました。これは、人間が持つ負の想念に気付いたカオスが、それをエネルギーとすべく、人間の心の闇を煽り増幅していった結果なのかもしれません(もともとアニメでもカオスのことに触れる予定であったとか)。
かつてアネモリトスの儀式を行った際のそれぞれの種族の力が解放された景色を見て、それぞれの種族は戸惑い、お互いの思惑を持ち、あるいはわずかながらでも不安や疑問を抱いてしまったのではないでしょうか?そんな心の闇にカオスが入り込んで3種族の力を暴走させ、世界を破滅に導こうとしたのではないかと思います。裏を返せば、いかに異なる種族同士の力を合わせることがいかに大変でかつ危険なものであることの表れでしょう。それほどまでに危険極まりない儀式をピエトロ達が成し得ることができたのは、もはや言うには及びませんが、それはピノン達が闇の精霊ヤズムに打ち勝てたことと相通じるものがあります。当たり前のことを当たり前に成し遂げてしまうところが、子供達の持つ大きくて素晴らしい力なんですよね。