84 闇の意思

2002年4月14日

 かつて人間族が呼び起こし、マイラが更なる力を得るために復活させようとしたバルバラン、闇の意思。しかしバルバランは決して利用できるものではありませんでした。それどころか逆に自分を利用しようとする者の心の隙につけ込み、知らず知らずのうちに己を復活させるための道具として操ります。まさにマイラがそうでした。マイラは強大な力を我が物とするために石版を集め、バルバランを復活させようとしていましたが、実際はマイラのそんな心を知ったバルバランが自分を復活させるためにマイラを操っていたのでしょう。
心の隙に忍び込む闇の意思、それは神族であるマイラですら防ぐことができなかったもの、そして大神ユリウスですらも自分の心の隙に入られないために、自分の力を利用されないようにするために自らを石にしてしまいました。古の勇者達も自らの力が強大であることを知り、万が一闇の意思に支配された時の危険を考えて自らを封印したという程です・・・。
そしてピエトロも一度は闇の意思に入り込まれてしまいました。サニアが逝ってしまった時、ピエトロは怒りのあまりに世界を放棄してしまいます。もしピエトロがそのまま闇の意思に囚われてしまっていたら、バルバランの目論見通り、自分の敵になるものとして排除されていた、もしくはピエトロの持つ強大な竜の力が利用されてしまったかもしれません。でもそこには白騎士がいました。そして誰よりもナルシアがいました。白騎士に喝を受け、ナルシアの愛に包まれてピエトロはこの最大の危機を脱することができました。もしマイラにも白騎士やナルシアのような仲間がいたらあのような悲しい過ちを犯してしまうことはなかったでしょう・・・。

これほどまでに闇の意思が人々や神の心の隙をも利用してしまうのであれば、これに立ち向かうことができるのは・・・それはきっと純真な心を持つ者達。果たしてその者達はどこにいるのでしょうか?