96 ナルシアの父親、再び

2002年8月9日

 ポポロクロイス物語最大の謎であるナルシアの父親。ポポロクロイスミュージアムの中での田森先生のインタビューから、ユリウスが父親でないことが明らかとなりました。となると一体誰が?ということになりますが、やはりこのインタビューの中に、このことを考えるにあたり、意味深な内容がありましたので、もう1度ナルシアの父親について想像を膨らませてみることにしましょう。
このインタビューの中で「ピエトロとナルシアの結婚に至るまでは苦難の道がある」と書かれ、その後に「ナルシアの父親の話がある」と続きます。ということはその苦難の理由の根本にナルシアの父親があるとすれば、そして妖精王メディアが何かから逃れるように急いでナルシアをギルダの元に預けなければならなかった状況を考えると、ここに1つの可能性が浮かび上がってきます。

「ナルシアの父親は闇と何らかの関わりを持つ者ではないか」

 もしナルシアの父親が単に人間族や妖精族であるならば、既に竜族と人間族との間に生まれたピエトロがいるわけですからそれほど大きな問題とはならないでしょう。問題視されなければならない理由があるとすれば、現時点で考えられるのは「闇の存在」です。
「じゃあ、ナルシアは闇の血筋を引くことになるのか?」と強い反対意見はきっとあるかもしれません。しかし気をつけなくてはいけないのは、既に何回か話題にしているように、「闇=悪」というわけではありません。闇というのはあくまでも光と相対的に存在するものです。神族でありながら闇の意思バルバランに入り込まれ世界を破滅に導こうとしたマイラを見ても明らかなように、光の眷族は絶対に悪ではない、と言い切ることはできません。光の眷族でありながら闇の意思を持つ者がいます。この逆を考えると、闇の眷族(という呼び方があるかどうかは別にして)でありながら光の意思を持つ者がいたとしても決して不思議なことではなく、つまりは闇に属する者だからといって必ずしも悪ではないということにもなります。

妖精族は心を司る種族です。その種族の王たるメディアですから、例え相手が闇に関わりのある者もしくは闇に属する者だったとしても、その者の心の中に強い光の意思を見出したのであれば、お互いに惹かれ合い、結ばれることも十分にあり得る話ではないでしょうか?「闇=悪」だと一方的に決め付けこれを憎み、差別し、排除しようとする心の中にこそむしろ闇の意思が潜んでいるのかもしれません・・・。
もしこの闇に関する部分とカイとの間に何か関係があるとしたら、果たして黄金の鍵との関係はどうであるのかなどなど、色々と想像が膨らんでいきそうです。