124 くまのぬいぐるみ

2003年3月28日

 一緒に寝ているほどにエレナのお気に入りであるくまのぬいぐるみ。ナルシアが道に落ちていたこのぬいぐるみを見つけて、ピエトロに「エレナちゃんのじゃないかしら?」と話していたことからも、きっとエレナはこのぬいぐるみをよく持ち歩いていて、そのお気に入りぶりは相当のものだったのでしょう。その理由に思いを馳せてみると、実はポポロ1の中に見出すことができるんですよね。タイトル画面から始まるオープニングを見ると、パウロとサニアに囲まれてベッドの中で微笑んでいるピエトロの横に、くまのぬいぐるみがあることが分かります。このぬいぐるみとエレナの持っていたぬいぐるみとが同一のものであるという確証は全くありませんが、次に掲げるいきさつから、同じものではないかと強く考えます。
サニアは実の父親である老竜神に絶縁されてまでもパウロと一緒になる道を選びました。それほどまでに深くパウロのことを愛していたわけですから、そんなパウロとの間に授かった初めての子供、すなわちピエトロが生まれた時のサニアの喜び、嬉しさは相当のものであったに違いありません。だからピエトロが着る服など、そしてこのくまのぬいぐるみも、サニア自身が愛情を込めて作っていたのではないかと思うんです(ちなみにメイド長が話しているように、サニアはタライまでも作ってしまうほど)。
ピエトロが分別のつく年齢になった時、パウロに「どうしてお母さんはいないの?」と聞いたことでしょう。そしてパウロは氷の魔王との死闘以来、眠ったまま目を覚まさずにいる母サニアのことをありのままに話して、ピエトロにより一層悲しい思いをさせないために、母はピエトロを産んだ後に死んでしまったという嘘を貫き通すことに決めました。そしてピエトロにせがまれて母親の思い出話をした時に、パウロはこのぬいぐるみをピエトロに「これはお前が赤ん坊だった頃にお母さんが作ってくれたものだ」と言って渡したのではないかと推察します。だからこれはピエトロにとってかけがえのない本当に大切な宝物だったんじゃないかと。それだけ大切にしていたものだからこそ、エレナが生まれた時、ピエトロは最愛の妹にこれをプレゼントしたのではないかなと思います。そしてあのとおりににいさま大好きっ子のエレナですから、ピエトロにもらったぬいぐるみを肌身離さず大切に持っていたのではないかと考える次第です。 こういう見方をするとポポロ1とポポロ2で登場したくまのぬいぐるみは同一のもの、と考えることができるわけなんです。もっとも全く想像の域を出ないものではあるのですけれども。
さぁ、果たしてエレナはこのぬいぐるみを同様にピノンにあげたのか否かを考えてみると、やはりピエトロからの初めての贈り物ということで大切に自分の手元に残して部屋に飾ってあるんじゃないかなぁと思います。ピノンにはピエトロとナルシアというとっても素敵な両親がいることですし。きっとピノンの部屋にある馬のおもちゃもピエトロ達が愛情込めて作ったものなのでしょうね。