126 智将?!ガミガミ

2003年4月11日

 男のロマン!とばかりに自爆装置を稼動させては脱出ポッドの中で蒸し焼きになりそうになったり、脱出ポッドとともに海の藻屑になりそうになったりと、後先考えずにその場その場の雰囲気と勢いで行動しているんじゃないかと思われる我らがガミガミ魔王。王冠を奪い去った後に「王冠1つ盗むのにあれだけの大軍勢で攻めてくるなんてバカだ」とか「盗んだものをすぐに取り返されるなんてバカだ」と、城下町での言われようは相当のものでした。おまけに根っからのあの調子の良さで年下のジルバからも「おバカ」と罵倒される始末・・・。もちろんあれだけのマシンを発明するほどの腕前の持ち主なわけですから(失敗もそれなりに多くはあるものの、ガミガミ魔王曰く『失敗は成功のおふくろ』)、決してガミガミ魔王は筋金入りのバカなんかではありません。こうした技術面以外にも、ガミガミ魔王は策略家としての一面も持ち合わせているんですよね。
ポポロ1で知恵の王冠を奪うことに成功したガミガミ魔王は、そのまますぐにガミガミシティに帰らずに、ポポロクロイス城下町の南側にかかる橋に爆弾を仕掛けていきます。それは王国の人間が橋を渡って別の国に助けを呼びにいくことができないようにするため(ガミガミ魔王の警告を無視して橋を渡ろうとすると、ピエトロの身にとんでもない災難が・・・)。 橋というのは国を守る上で重要な拠点です。他国からの侵略を防ぐために橋を重点的に防衛し(場合によっては破壊することも)、逆に攻め入る際にはいかに橋を突破するかが重要な課題となります。そうした兵法的なことをしっかりと踏まえて橋に爆弾を仕掛けておいたガミガミ魔王はまさしく智将、ポポロクロイスにおける諸葛亮孔明・・・とまで言うとさすがにほめ過ぎなような気がしますが、事実獅子王と称されるパウロですら「ガミガミ魔王はあなどれない」とピエトロに警告を与えている位ですし。フローネルの森に通じる橋にはなぜ爆弾を仕掛けておかなかったのかという疑問も浮かんできますが、おそらくこれは橋を渡らせまいとするまでもなく、フローネルの森があるからそこを抜けて北に進んでくることはないだろうと考えたからでしょう。
アニメの中でも知恵の王冠を賭けて、パウロとガミガミ魔王との対決が繰り広げられます(第10話「知恵くらべ」)。知恵くらべと言うよりも発明勝負の力技、という様相を呈している面もありますが、最後にガミガミ魔王は見事パウロ国王を出し抜いて、王冠を手中に治めます。ピエトロの抗議に対して、「知恵を使われた者はいつもだまされたと言う」とガミガミ魔王の独自の価値観あふれる言葉が返されますが、これはある意味至言です。
発明力にすぐれ、知恵にも秀でたガミガミ魔王、それでも決して恋愛に関しては策を弄そうとはしないところが、漢の漢たる所以であり男のロマンなのでしょうね。