130 水の鏡が映すもの

2003年5月18日

 真実を映し出すと言われている水の鏡。ピノン達がこの鏡をのぞきこんだ時、それぞれにそれぞれの光景が映し出されました。ルナのようにはっきりと自分の正体を映し出すこともあれば、竜の背中にもたれかかって精霊たちと遊ぶピノンの姿、降り注ぐ黄金のためにひび割れてしまう鎧の姿のように象徴的なイメージを映し出すこともあります。ピノンやマルコが見たイメージは果たして何を意味しているものなのでしょうか?
マルコがみたイメージは山と積まれた金銀財宝で、これをみたマルコは最初は大喜びしたものの、黄金によって次第にひび割れる鎧を見て「景気の悪い感じだ」と話していました。ひび割れる鎧には星のマークがついていて、一見白騎士の鎧を彷彿とさせるものがあることから、「何か将来白騎士によくないことが起こるのではないか」との見方があります。しかしこの鏡は見る者の心を反映させて映し出すものですから、これが白騎士と直接関わりのあるものとは考えにくいんですよね。鏡をのぞきこむ前にマルコは、「こういう面白いことは俺様が先だぜ」と先にのぞきこもうとしていたピノンを押しのけています。まぁ大袈裟な言い方をするとものごとに対して「欲が強い」ということになります。この部分を受けて水の鏡は、「欲(=金銀財宝が象徴)強く生きていると、その欲のために身を滅ぼすこと(=黄金により壊れゆく鎧が象徴)になりますよ」との警告を発していたのではないかなと考えています。一方ピノンが見ていたイメージは真実とは言いがたく、かといってマルコのような警告の意味合いも見受けられません。見ている本人が「よくわかんないや」と話しているくらいですから、ピノンすらも意識していないピノンの中を流れている竜族や妖精族の血が映し出している光景なのかもしれません。それともこれからのピノンの未来、ピノンの進みゆくべき道を示しているのかもしれません。人間族であるピノンが竜と一緒にいて、さらに妖精族の血によって見ることができる精霊と一緒に遊んでいる姿はこれからの種族のあり方を示しているような気がします。そして最後に月が大きく映し出されることからも、世界が1つであったかつての姿を取り戻すために必要な何かが月(おそらくは月の聖域)に隠されているのでしょう。
月の世界と海の中に広がる世界、この2つの世界にどんな謎が潜んでいるのか、おおいに気になるところです。