141 基本から応用に

2003年9月7日

 ポポまりについてのインタビューで、田森先生が次のような内容のことを話されていました。「ポポロ2まではファンタジーの基礎的な内容で、これからはポポロの世界を紐解いていくものになる」と。言うなればこれからの物語はある意味これまでの基本的な部分から応用的な部分になっていくものと考えられるわけですが、この応用的なもの、という部分についてどうしても考えておきたいことがあります。
基本的な部分を語る場合には、その内容についてゼロから詳細に述べていく必要があると思いますが、応用的な段階になるとすべてが語られていなくても、今までに語られている部分を整理して自ら構築していかなくてはいけなくなる部分が出てくると思うんですよね。「そのような内容はこれまでに出てきていないのだから分からない」ではなく、「今までに出てきた内容からこういうことになるのではないか」という見方・考え方をする、ということです。改めてこのようなことを考えるきっかけとなったのは、10月から始まるポポロの新アニメのことについて色々と考えを巡らせていたからなのですが、ポポまりのエンディングで黄金の鍵があのようになってしまいましたから、次回作でルナがどうやって出てくるのか、と非常に大きな謎として残っていて、アニメの始まりの話の中で、この辺りが語られるのかどうかが気になるところです。ただなんとなくではあるんですけど、この部分については特に触れられることなく、あっさりとルナが登場するんじゃないかな、という考えています。というのは、いきなりアニメが始まって黄金の鍵のところから話が始まったとすると、ポポまりの冒険を終わらせている人にとっては分かっても、まだの人にとってはいきなりなんのことだか分からなくなってしまう可能性が十分に考えられるからなんですね。
さぁ、それではここで、アニメが仮にそのように始まった場合にどう考えるのかが、先ほどの基本・応用的な考え方と関わりを持ってきます。この場合は当然に「黄金の鍵はどうなったのだろう?」との疑問が出てくるわけですが、ここで「話で描かれていないから分からない」で終わってしまってはそこでストップしてしまいます。黄金の鍵について今までに描かれてきた部分を思い起こしてみると、

・黄金の鍵は月の石で出来ていること
・黄金の鍵があれば、ルナの姿が他の人にも見えること
・黄金の鍵と月の精霊とはおおいに関係があること
・月の精霊パプーが再びピノンの元に戻ってきたこと
・黄金の鍵がなくてもルナの姿が見えるようになったこと

などが挙げられます。最後の2つを見れば、月の力というのは、あたかも満月だった月が闇に覆われて新月になっても再び満月となって姿を現すのと同じように、一度なくなっても再び戻るものであると考えることができます(もちろんいろんな条件が必要になるとは思いますが)。とすればあのようになってしまった黄金の鍵も、パプーに起きた奇跡・ルナに起きた奇跡と同様に、元通りに戻っていたところでなんら不思議はないわけです。これが真実かどうかは定かではありませんが、こんな具合に描かれている内容から可能性を導き出して解釈していくのが応用的な見方であり、受身的ではなく能動的にポポロを楽しんでいく方法、と考えるのですがいかがなものでしょう?
1から10まで全てを語るのではなく、1から6までを語り、そこから10までの残りの部分を受け手に考えさせる、ということも大切ではないかと考える次第です。とにもかくにも10月5日の放映開始がおおいに気になります!