184 剣の山

2005年1月29日

 ポポロクロイスの世界は、氷の魔王、夢幻魔王、マイラ、ヤズム、そしてゼフィスと語られている物語でも5回、そしてまだ明らかにされていないピエトロやパウロの時代の冒険譚を含めると、数多くの危機にさらされていることになります。そしてその都度ピエトロやピノン達の困難を極める活躍によって世界は守られてきました。こうしたポポロクロイスにおける危機において、神族が手を貸したのは知る限りでは、バルバランと夢幻魔王を封印した時、そして直接神族が関わることとなった邪神マイラの時のみでした。神族が常には加担しないのは、

・神族が人間族との関わりを絶ってしまっていること
・地上世界のことは地上世界の者に任せているであろうこと
・もともと人間族が闇と戦うことうを運命付けられた種族であること

等の理由があり、ポポロクロイスの世界だけではなく、それよりももっと大きな意味での「世界」そのものの危機においてのみに限られるのでしょう。
神族と同等とまではいかないものの、ポポロクロイスの世界にはもの凄い人がいるんですよね。ピエトロ達が大苦戦した四天王を簡単に蹴散らし、ブリオニアの技術をおもちゃのように軽く扱ってあのガミガミ魔王すらも驚嘆させたラダック仙人が。見慣れぬ魚を食べてお腹を壊してしまうというドジな一面もありますが、ラダック仙人が冒険に加われば百人力以上、まさに鬼に金棒であったと思うのですが、助言をくれることはあっても決して同行してはくれませんでした。これは何か理由があってのことでしょうか?
その答えは、剣の山、ではないかと思います。剣の山は、ヤブー達四天王ですら自分の力だけでは辿り着くのが難しいほどの東の最果ての地にあり、そこにラダック仙人は住んでいます。正確には、「剣の山にラダック仙人が住んでいる」ではなく「剣の山だからこそ、ラダック仙人がいる」、ということで、必然的なものなのでしょう。簡単には辿り着けない最果ての地にあるのもまた然り。
剣の山は、姿こそ山の形をしていますが、実際には内部は空洞で、その内側は永遠の館を通じて闇の世界とつながっており(氷の魔王が吹き飛ばした山が元通りに戻っているのもこのためでしょう)、頂上はラダック仙人を介して、神々の国へと通じていますから、剣の山は単なる山ではなく、光と闇のどちらにとっても極めて重要な場所となり、だからこそ、それだけの力を持つラダック仙人が頂上で暮らし、2つの入口を守っているのだと思われます。となると、ラダック仙人はそうそう簡単に剣の山を離れるわけにはいかなくなるんですよね。その他にも神々の国へピエトロ達を送ることができるのは、神々からそれだけの信頼を受けていることの現われでもあり、神族に最も近い人間族として、力を使うことについて何らかの制限が課されている可能性もありますが。
こうして考えてみると、何をきっかけに仙人を目指し、誰の元で修行をしたのか、そしてまるで性格や振る舞いが双子と言わんばかりにそっくりなデルボイ仙人との関係は?!などなどラダック仙人もまた謎多き存在です。