261 時代を変える者

妖精王メディアと話すギルダさん

ナル笛の中で、ギルダが妖精王メディアとこのように話をしている様子が出てきますが、ギルダの下にナルシアが預けられて以来、もしくはもっとそれよりも前から、森の魔女であるギルダはメディアと連絡を取り合っていたのでしょうか。今回取り上げるのはそんなお二方の会話より。

ネクロシア大陸を救ってピエトロとナルシアがポポロクロイス王国に戻ってくるのを待つ間の会話の中で、2人は、ポポロクロイスの世界の根幹的な理(ことわり)であるカオスについて非常に興味深いことを話します。曰く、

「闇の意思カオスが心の闇に潜むようになってから長い時が経った」

「カオスの闇に囚われた者はすべからく封印され、この世界は封印を保ってきた」

「闇を退けることはできても、カオスそのものは消すことはできない」

と。

例えば、退けられた闇である氷の魔王は、闇の世界に魔王の星として封印されましたから、おそらく闇の王ダーナが管理する世界には、そうして封じられた「カオスの闇に囚われた者」が数多くいると考えられます。ただし、それは世界の脅威を一時的に隔離するにすぎず根本的な解決にはなりませんから、ヤブー達四天王やデイモスのようにその封印を解く者が現れれば、その脅威が再び顕現してしまいます。もっとも事あるごとに利用される氷の魔王もそれはそれで大変のような気がしなくもないですが。

でも、そうしたことが長い間繰り返されてきたであろう歴史の中、ピエトロは、「闇に落ちたマイラの心を取り戻し、エルシオンの魂を闇から救いあげた。封じるのではなく、彼らに生きるべき道を示した」のだとメディアは語ります。そんなメディアの話にギルダが返した言葉が冒頭の一コマなわけですが、今までは闇に囚われた者は封じるのが当たり前であった「時代」が、封じるのではなく闇を祓う時代になっていくのではないかとピエトロがもたらす大きな変革に驚きと期待が持たれているのかもしれません。

それでもメディアが、「これからも闇に立ち向かわなければならないことに変わりはない」と言っているように、パウロの時代、ピエトロの時代、そしてピノンの時代でも世界の危機が続くわけですから、闇から救う時代の到来がどのようになっていくのか、いつかは紡がれるであろう新たな物語を楽しみにしたいところです。

・・・とこうして書いたところで、氷の魔王と同様、マイラとゼフィスと二度にわたって利用された挙句に、月の力によって倒されたヤズムはどうなってしまったのだろう?と思わなくもないですが、ゼフィスが海の妖精王セレーネの犠牲により、封印ではなく月の掟で“消滅”させられたように、カオスの脅威から光の世界を救うのにはいろんな方法があるのでしょう。
そういう意味では、ヤズムはあくまでも退けられて封印されたに過ぎない、と考えることもでき、どこかでしぶとく復活する可能性がなきにしもあらず?!

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